本日2019年6月26日に発表された、すかいらーくの逆日歩がやばかったです! つなぎ売りをクロス取引に使った株主優待タダ取りをする個人投資家は、逆日歩について詳しく知る必要があります。逆日歩の金額は事前に予想のできないギャンブル要素なのですが、最悪の金額であれば事前に調べて計算することができるからです。
逆日歩の調べ方と、逆日歩の計算方法をご紹介いたします。
今回のすかいらーくを優待クロスした場合、100株で3000円の優待券をもらうために、3720円もの逆日歩が発生してしまったの!
とり子
逆日歩を調べて計算する
まず日本証券金融株式会社、通称「日証金」のサイトにアクセスします。
Googleで「日証金」と検索してもOKです。
日証金のサイトのトップに入力フォーム、検索窓があるので調べたい企業の銘柄コードを入力しましょう。入力するワードは企業名、銘柄名でも構いません。
結果が表示されましたか?では、結果の見方と項目の説明、そして逆日歩の計算方法を解説します。
品貸料率
品貸科率とは、1株を借りるために支払う逆日歩の金額のことです。最低単元の100株ならば100倍、10単元の1000株なら1000倍した金額で計算しましょう。品貸科率は、既に品貸日数を掛けた金額の総額です。日数をかける必要はありません。
本日のすかいらーくの場合は、品貸科率が37.2です。
品貸日数
株には約定日と受渡日とがあります。株を買った日を約定日、実際に株が受け渡しされる日を受渡日と呼びます。約定日は契約日で受渡日は購入日のようなイメージで良いでしょう。そして、受渡日は約定日を含んだ3営業日目と決まっています。※2019年7月から4営業日目→3営業日目に短縮されました。
品貸日数とは、実際に株を借りた日数のことです。逆日歩は品貸日数分支払わねばなりません。受渡日で権利付き最終日が金曜日、権利落ち日が月曜日の場合、休日の土日を挟んだ3日間株を借りることになりますので、品貸日数は3となり、3日分の逆日歩を支払うことになります。
本日のすかいらーくの場合は、品貸日数は3です。
最高科率
最高科率とは、1日当たりの品貸科率の上限のことです。株価は銘柄ごとに違いますから、株価に見合った最高科率が設定されています。
http://www.taisyaku.jp/media/about-hayamihyo.pdf
※PDFファイル注意
また、下記で取り上げる制限措置によって最高科率自体が引き上げられる仕組みもありますので、事前に逆日歩の最大値を計算する場合は注意しましょう。
本日のすかいらーくの場合は、品貸科率が15.2です。
制限措置
権利落ち日の前
権利落ち日の前営業日は最高科率が4倍になります。
権利落ち日の2~6営業日前は最高科率が2倍になります。
この2点は貸株の需要に関係のないお約束です。
注意喚起
最高科率を2倍にする制限措置です。逆日歩の最大が2倍になるよ!という注意です。
貸株の需要が増えると、株を貸す人にたくさんお金を支払わないと貸してもらえません。また、事前に逆日歩の上限を引き上げる告知をすることで、むやみな貸株を牽制する目的もあります。
とはいえ、注意喚起は決算前の銘柄で頻繁に見かけます。警戒するほどではないでしょう。
申込停止
貸株の申し込みを停止する措置です。もう株は貸せませんよ!という制限なので、措置を受けて証券会社も信用売りの受け付けを停止してしまいます。
申込停止措置は、株主優待タダ取り、クロス取引をする人は必ず覚えておいてください! クロス取引の失敗の最大の原因が、この申込停止措置による失敗です。
もし、この措置が朝に決まったら、前日に注文していた信用売りの注文も証券会社によって取り消されます。取消の確認はありません!
するとどうなるでしょう?もし、申込停止に気づかないまま前場が始まると、クロス取引の買い注文だけが約定して、買いポジションだけを持ったままとなります。たまたま利益が出ればラッキーかもしれませんが、株式投資をするにあたって、想定しない状況に身を任せる行為はおすすめできません。
頻度としては稀ですが、クロス取引の失敗を防ぐために、信用売り注文の自動取消を引き起こす申込停止措置のことを覚えておきましょう。
4倍適用
最高科率を4倍にする制限措置です。2倍適用でも貸株の需要が改善しない場合に発動します。
10倍適用
最高科率を10倍にする制限措置です。4倍適用でも貸株の需要が改善しない場合に発動します。いわゆる仕手株の急騰など、売買の加熱局面で稀に見かける程度です。
すかいらーくの逆日歩の反省
本日のすかいらーくの場合、株価からの最高科率は3.8でした。制限措置により、権利落ち日の前営業日なので最高科率は4倍の15.2となりました。株の持ち越しが金曜日→月曜日なので、品貸日数は3でした。つまり、品貸科率の上限は3を掛けて45.6である!と事前に分かるわけですね。最悪の金額を求めると
3,000円分の食事券がもらえる100株ならば
→15.2×3×100=4,560円
33,000円分の食事券がもらえる1,000株ならば
→15.2×3×100=45,600円
となります。今回の100株当たりの逆日歩3720円は100株当たりの上限4560円に対して、上限に近い金額だったことが分かりましたね。しかし、実はこれでもマシな方なのです!
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株主優待で素麺セットをもらうために18万円の逆日歩を支払うハメになった伝説のそうめんなどは、個人投資家や優待族の中で語り継がれる伝説となっています。
先人に学び、逆日歩のリスクを事前に計算しておくことが大切ですね!
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