どの証券会社で、いつクロス取引すればよいのか?
株主優待狙いのクロス取引向けに、各証券会社による一般信用取引サービスが出そろった今日この頃ですが、コストのポイントとなるつなぎ売りに一般信用を使った優待クロスのコストが最も安いのは、手数料も無料のSMBC日興証券です。一方、個人投資家に普及した定番のネット証券といえばSBI証券と楽天証券でしょう。SBI証券の一般売り短期(15営業日)は、楽天証券の一般売り短期(14日)を期間で包括する形ですので、逆に優待クロスのコストが最もかかるのはSBI証券といえます。
かといってSBI証券が悪いわけではありません。ずっと前から安いコストで在庫をとることができる日興証券は、在庫をとること自体が難しい状況になりつつあり新たな課題となっています。15営業日前からヨーイドン!で在庫を奪い合い、さらに貸株料も高いSBI証券は、日興証券と完全に対照的な存在となったわけです。どういうことかと言うと、期間の制限とコストの高いデメリットがあるからこそ、SBI証券や楽天証券に在庫がとれるメリットが発生しつつあるのではないでしょうか。
一般信用 | SBI証券 | 楽天証券 | 日興証券 | GMO証券 |
貸株料 | 3.9% | 3.9% | 1.4% | 3.85% |
日数 | 15営業日 | 14日 | 何か月でも | 変動 |
銘柄数 | 多い | 多い | 多い | 普通 |
在庫 | 残る | ある | 厳しい | 穴場 |
この表からも、メリット・デメリットで証券会社の使い分けができることがお分かりいただけると思います。
とはいえ、貸株料3.9%/年を上限の15営業日も引っ張ると、約定代金の0.3%近い貸株料がかかってしまいます。もちろん約定時の手数料も必要です。株主優待の多くは利回りが0.5%程度ですから、闇雲にSBI証券で初日からクロスすると、利益どころか損をしてしまうケースもあります。
現引きできる口座資金・余力には限度がありますし、注文や事務作業など労力に見合わないリターンの優待クロスは断念すべきでしょう。コストとリターンを計算した上で、資金配分を考えながら在庫を確保できる適切なタイミングを探らねばなりません。当サイトの情報から、選択する銘柄の優先順位とクロス取引をする日を決める判断材料にしていただければ幸いです。
とる造
資金効率のよい、後悔のないクロス取引を!
修正・更新履歴
とる造
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2019/09/03:リリース
計算ルール:優待の評価額の決め方
ヤフーオークションにて落札価格を目視で調査しています。正確性は努力いたしますが、主観的な判断となることをご容赦ください。また、時期によって価格変動の大きな株主優待券もございます。調査時の時価であることをご理解くださいますようお願いいたします。また、ヤフオクでは8%の落札手数料がかかりますので、落札金額の92%を時価として計算しています。
金券ショップで全国どこでも買取が行われている金券は、次のように計算しています。クオ(QUO)カード95%、お米券95%、JCB等ギフトカード100%、ジェフグルメカード90%、図書カード90%、等。
計算ルール:株価の決め方
クロス取引のタイミングを考える期間は、1か月から長いもので3か月以上の銘柄もあります。また、株価は1~2か月もあればかなり変動することもあります。しかし、事前にコストとリターンを見積もる上では、仮にでも株価を固定しなければなりません。
直近3~6か月のチャートを目視したとき、その範囲で頻繁に値をつけた価格帯に注目し、その価格帯の上限付近の価格を想定する株価と仮定しています。コストはなるべく多めに、つまり保守的に見積もれるようにしたいからです。こちらも正確性は努力いたしますが、主観的な判断となることをご容赦ください。そして調査時の時価であることもご理解くださいますようお願いいたします。
また、証券会社の手数料は約定代金で決まりますので、株価次第でちょうど変わってしまう境界線があります。際どい株価は高めの株価で想定した手数料で計算し、こちらも保守的な見積もりをしています。
以上のような事情から、たとえば今日実際約定した場合の数字や、他サイトさまが掲載している数字とは、誤差があることもご理解くださいますようお願いいたします。
とる造
株価に関する機械的な算出ロジックの導入は、今後の課題とさせていただきます。
いかんせん駆け出しのサイトで至らぬところ多々あると思います。間違い等、お気づきの点がございましたら、ツイッター等でお知らせくださいますと大変助かります。よろしくお願いいたします。
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