この記事では、クロス取引の注文をする「おすすめの時間帯」について解説します。
とら
一日のうち、いつクロス取引すればいいの?
クロス取引は同時に約定 すなわち同時に注文を成立させなければなりません。
⚠「不成」「指成」「引け」等の注文方法をご存知の方には必要のない情報です
まず、証券取引所が開いている営業日は
祝日等を除く月曜から金曜で、さらに営業時間内は
- 株の取引がリアルタイムにできる時間帯
- 株の注文をためている時間帯
- たまった注文を一斉に約定させる時刻
の3つに分けられます。
クロス取引は「売り」と「買い」との2つの注文で1組ですが、2つの注文は同時には注文できないので 1つずつ順番に注文しなければなりません。
もし、株の取引がリアルタイムにできる時間帯に「売り」と「買い」とを 続けて注文すると、売りと買いとの間に株価が変動して 意図しない損益が発生してしまいます。
ですので、クロス取引の注文は 株の取引がリアルタイムにできる時間帯「以外」に注文しましょう。
とら
株価が動いていない時間帯だったら、売りと買いを1件ずつ注文しても大丈夫そうだね!
では、具体的に一日の流れを見てみましょう。
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朝
朝は、8時5分から9時までは、注文を受け付けるものの「注文が成立しない時間帯」です。注文をためています。証券会社によっては8時5分以前でも注文を受け付けていますが、注文の訂正ができない時間帯も含まれるため、初心者向けではないでしょう。
そして 9時になった瞬間に たまった注文が一斉に成立して、株価が動き始めます。もし、たとえば8時50分を過ぎて注文をしたとき、9時寸前に間違いに気付いても、訂正や取消の作業を焦るあまりパニックになるかもしれません。誤発注を防ぐためにも、時間には余裕をもって注文したいものです。個人的には、少なくとも8時45分までには正しい注文を済ませておきたいですね。
昼休み
株にも昼休みがあります。11時半から12時半の1時間です。この間の12時5分から12時半までも、注文を受け付けるものの「注文が成立しない時間帯」です。注文をためています。12時5分以前でも注文を受け付けていますが、注文の訂正はできないため 初心者向けではありません。
そして 12時半になった瞬間に注文が一斉に成立して、株価が再び動き始めます。朝と同様に、12時半寸前に注文することは避けましょう。個人的には、少なくとも12時15分までには正しい注文を済ませておきたいですね。
ただ、昼休みの時間は短いので、どうしても注文したいときだけ…そのくらいの気持ちで覚えておきましょう。
とり子
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夜
株の取引は15時で終わりです。日興証券では17時から、楽天証券では19時から 注文の受付が再開されます。ここで受け付けられる注文は、基本的に「翌営業日」扱いとなります。もっと詳しく言えば「翌営業日の朝9時に成立させる注文」として扱われます。
わたしは朝昼よりも、夕夜に注文することが多いです。
とり子
売り注文が大事
クロス取引は「売り」と「買い」との2つの注文で1組と述べましたが、この順番には少し意味があります。
売りとは、信用売りのことですが、信用売りにも「制度信用」と「一般信用」のどちらを使うか?という選択肢があります。制度信用と一般信用は、それぞれメリットとデメリットがありますが(※この記事では割愛します)、一般信用売りは証券会社ごとに「注文可能株数の限定がある」点だけ 覚えてください。
この記事では、一般信用を使ったクロス取引で解説をしています。制度信用の場合、注文可能な時間帯が広がりますが、少なくとも一般信用で覚えれば間違いがありません。
とり子
まず、株をする人々のちょっとマニアックな用語を解説しておきます。
★補充とは、証券会社が貸株を調達して、在庫を増やすこと。
★売り切れとは、増えた在庫が再びゼロになること。
★争奪戦とは、増えた在庫を投資家が奪い合う瞬間のこと。
とら
これを知っているとツイッターの会話も捗るかも?
日興証券の17時と 楽天証券の19時の 夜の注文受付再開のタイミングが、この在庫の補充のタイミングと重なり、界隈では争奪戦と呼ばれています。
買いの注文には株数の限定がありませんが、売りの注文は「在庫に補充があっても争奪戦のあと売り切れになる」可能性があります。つまり、売りの注文を優先した方がよいわけです。
売りの注文ができなければ、クロス取引は「売り」と「買い」との2つの注文で1組ですから、買いの注文も意味がありません。もし、在庫が残っているうちに 売りの注文を正しく完了できたならば、続けて買いを注文をするとよいでしょう。
レアなケースですが注意
信用取引では、証券取引所や証券会社によって
- この銘柄は信用売りができません
- この銘柄は信用取引自体ができません
このような規制がかかることがあります。規制の内容は日々変わりますし、前夜や当日の朝に突然発表されることも「稀に」あります。
たとえば、前夜に「信用買いと信用売りのクロス取引」の注文を完了していたとしても、もし 翌朝に「信用売りはできなくなりました」といった規制が発表された場合、信用売りだけがシステムで取り消されてしまうでしょう。すると、クロス取引の買いだけが約定してしまい、予期しない損益が発生してしまいます。
要は、クロス取引は「注文したらおしまい!」ではなく、できれば
- 朝9時までに注文を再確認
- 朝9時を過ぎたらポジションを確認
して、間違いがあれば「速やかに」注文を訂正したり ポジションの修正をしたりすることが事故や被害の拡大を防ぎます。
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まとめ
クロス取引をする時間帯とは?
当日中扱いの注文
当日ならば、朝8時5分から8時45分(厳密には9時まで)の間、または昼12時5分から12時15分(厳密には12時半まで)の間がオススメです。
翌営業日の扱いの注文
前夜ならば、日興証券は17時から、楽天証券は19時から、SBI証券やカブドットコム証券も19時からです。念のため、約定日の朝8時台に「注文が存在する」ことを確認してください。
約定(注文が成立)したら
同じ株数の 信用買いと信用売りとの 2つの建玉(ポジション)が口座にあることを確認しましょう。
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