auカブコム新手数料で優待クロスのコストを検証してみる

クロス取引

カブドットコム証券がauカブコム証券に名称変更するタイミングで、優待クロス勢をざわつかせた出来事がありました。

  • (従来の)カブドットコム証券の手数料が無料になる!!

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とる造

な、なんだってー!

しかし、

そんな美味しい話、あるのかなー?

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とり子

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とる造

ぶっちゃけカブコムは比較的手数料が高い証券会社だったからのう・・

2019/12/07現在、auカブコム証券から発表された情報を整理すると、自分でちゃんと検証してみないといけない気がしたので、記事を書きながら検証してみることにしました。

発表された情報に対して、「貸株料について」ツイッターの反応を調べてみました。

若干、アレルギー反応を感じました。ユーザの反響次第で、今後カブコムさんが方針を変える可能性も否定できません。ここ数日は色々な情報がありましたが、こちらのリリース記事で一旦まとめられたようです。最新の情報は各自ご確認くださいますよう、よろしくお願いいたします。

信用取引の取引手数料・金利・貸株料・事務手続き料の変更についてご説明 | auカブコム証券 | ネット証券 (株・信用取引・FX・投資信託・NISA・先物オプション)
信用取引の取引手数料・金利・貸株料・事務手続き料の変更についてご説明のページです。「株」や投資信託を始めたい初心者の方に最適なネット証券会社なら、安心のMUFGグループの「auカブコム証券」へ。

※「20191206_2.html」なので「20191206_1.html」や「20191206.html」があるのか?と思ってアクセスしてみたのですが、ありませんでした・・笑

では、上のリリースから引用した内容を掲載させていただきます。

長期2.25%、短期5.85%・・?

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とり子

そして問題の品受・品渡手数料です。カブコムでは何故か呼び方が他証券と異なり、現引・現渡と呼びません。要するに、現引・現渡の手数料のことです。

3行でまとめると、

  • 手数料は無料になるが
  • 貸株料はアップ
  • 現引・現渡に事務手続き料(実質、手数料?)が新設される

ということですね。

現引きと現渡しに手数料?違和感があるわね。

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とり子

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とる造

主な証券会社の一般信用売りの貸株料を比較してみよう。

SMBC日興証券 3年 1.40%
SBI証券 15日 3.90%
楽天証券 無期限 1.10%
14日 3.90%
auカブコム証券(New!) 長期 2.25%
売短 5.85%

トータルで損なのか得なのか、よく分からないから具体的に計算したいわね。

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とり子

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12月優待クロスの具体例で新手数料を検証

日興証券や楽天証券は、貸株料が安いです。さらに、日興証券は常に信用手数料が無料、楽天証券も手数料無料となる優遇プランの達成条件が(他の証券会社と比べて)比較的緩いです。

つまり、圧倒的にコストのかからない日興や楽天と比較するのは、そもそも酷という話かもしれません。とりあえず、現在貸株料が3.9%のSBI証券が比較相手として適当と考えました。

  • 2019/12/09(月)に
    SBI一般信用売り15日初日でクロス
  • 2019/12/09(月)に
    auカブコム一般信用売り長期でクロス
    (※実際はまだできません)
  • 2019/12/17(火)
    auカブコム一般信用売り売短初日でクロス

の3つでシミュレーションしてみようと思います。

※1:なお、auカブコムの現渡手数料は、優遇適用の楽天へ移管して「頑張って」節約することは可能ぽいです。

すかいらーく100株の場合

株価 2,187円で計算しました。

SBI証券の場合

手数料:198円×2=396円
金利:2,187×100× 2.8% ×1日÷365=16円
貸株料:2,187×100× 3.9% ×27日÷365=630円
合計:1,042円

auカブコム証券の場合(一般長期)

手数料:0円
金利:2,187×100× 3.79% ×1日÷365=22円
貸株料:2,187×100× 2.25% ×27日÷365=364円
現引手数料:180円
現渡手数料:180円 ※1なら節約可
合計:746円(566円)

日興や楽天無期限には及ばないものの、SBI初日よりはお得ですね!

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とり子

auカブコム証券の場合(一般売短)※参考

手数料:0円
金利:2,187×100× 3.79% ×1日÷365=22円
貸株料:2,187×100× 5.85% ×19日÷365=665円
現引手数料:180円
現渡手数料:180円 ※1なら節約可
合計:1,047円(867円)

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とる造

まさか、SBI証券の15日信用の初日の水準に寄せてきたのか?!

すかいらーく1,000株の場合

株価 2,187円で計算しました。

SBI証券の場合

手数料:385円×2=770円
金利:2,187×1,000× 2.8% ×1日÷365=167円
貸株料:2,187×1,000× 3.9% ×27日÷365=6,309円
合計:7,246円

auカブコム証券の場合(一般長期)

手数料:0円
金利:2,187×1,000× 3.79% ×1日÷365=227円
貸株料:2,187×1,000× 2.25% ×27日÷365=3,640円
現引手数料:1,100円
現渡手数料:1,100円 ※1なら節約可
合計:6,067円(4,967円)

約定金額が大きくなると現引き+現渡しの手数料は大きく感じるわね。でも、まだSBI初日よりお得ですね!

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とり子

auカブコム証券の場合(一般売短)※参考

手数料:0円
金利:2,187×1,000× 3.79% ×1日÷365=227円
貸株料:2,187×1,000× 5.85% ×19日÷365=6,659円
現引手数料:1,100円
現渡手数料:1,100円 ※1なら節約可
合計:9,086円(7,986円)

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とる造

100株ではSBI初日と並んでいたが、1,000株だと現引き+現渡しの手数料が重たく、差が開いてしまったのう。

優待クロスならやはり日興と楽天が強い

優待クロスおすすめ証券会社(個人的見解)

auカブコムの評価がメインテーマなのですが、楽天の優遇プラン適用の有無がポイントになるので場合を分けました。

楽天で手数料無料の優遇プランを達成できる人

auカブコムは微妙です。日興と楽天がおすすめとなります。

  • 日興≒楽天>カブコム長期>SBI>カブコム短期

コストベースでは「楽天>日興」となります。しかし、日興には「今週中」という注文方法が一般信用売りでも可能です。これは、貸株料1.1%~1.4%の差を埋めるほどの価値がある、と個人的に評価しているため上記のような評価となりました。

楽天で手数料が発生する人

auカブコムの長期なら使えます。ですが、日興と楽天がやはりおすすめです。

  • 日興>楽天>カブコム長期>SBI>カブコム短期

権利付き最終日までの日数によっては、楽天とカブコム長期は逆転するかもしれません。

優待クロスでauカブコムの使い所

それでも、使い所を考えてみましょう。auカブコムの強みは

  • 抽選で在庫(一般信用売り注文可能数)争奪戦に参加できる
  • 日興と楽天で出なかった在庫が転がっている(かも?)

という点です。在庫探しをする「選択肢として」利用できる状態にはしておきたい証券会社という位置づけでしょう。昨今、日興17時や楽天19時の争奪戦が厳しさを増す中、抽選式を未だに採用している点は高評価です。

あれ?これって前からじゃない?

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とり子

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とる造

そうじゃな。新手数料になっても「それほど変わらなかったな」という感想が結論じゃ。

権利付最終日まで遠いとき

権利付最終日まで1か月以上(※目安)のようなシーンでは、使う価値はイマイチです。

  • auカブコムになって貸株料は改悪されてしまった!

クロス取引の期間が長くなればなるほど、手数料よりも貸株料の方が負担になるのです。

auカブコムにしか在庫が無いマニアックな銘柄ならば、といったシーンに限って使うことになりそうです。

権利付最終日まで近いとき

使う価値があります。日興や楽天で手に入らない在庫があれば拾いたいですね。権利付最終日の

  • 4週間前、まだ余裕
  • 3週間前、静かな争奪戦
  • 2週間前、厳しい争奪戦
  • 1週間前、さすがに厳しい

あくまでも目安ですが、参考にしてみてください。

ちなみに裏技もあるが・・・

実は、

  • 証券会社横断のクロス取引もある

ということはお気づきでしょうか? 現引・現渡さえしなければ事務手続き料という新しい手数料を支払わなくても済むということは

  • auカブコム証券以外で売り
  • 他の証券会社で買い

という手もあるわけですね。

しかし、異名義クロスではありませんが、異証券会社クロスになります。すると、口座間の損益がどんどん偏る(※口座残高も)可能性があります。ほとんどの個人投資家は

  • 特定口座源泉徴収あり

で、確定申告を省略するのではないでしょうか? すると、

  • A証券で年間利益
  • B証券で年間損失

なんて状態になった場合、確定申告をしなければ損をしてしまいます。かといって、そもそも確定申告をする?しない?にも、各自の複雑な思惑があるのではないでしょうか? つまり、このやり方をしてまでauカブコムを使うような選択はおすすめできません。

でも手数料改定は良い流れ!

2019年はSMBC日興証券をはじめとして、株主優待をクロス取引でゲットする個人投資家向けのサービス競争の1年でした。環境がぐっと変わった実感があります。カブドットコム証券も、このように手数料を変えるということは、それだけ優待クロスが注目されていて、各証券会社が関心を持っているという証拠です。来年は、いよいよネット証券代表格のSBI証券にサービスと覇権の返り咲きを期待したいところです!

ツイッターのご紹介

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とら

よろしくおねがいします!

コメント

  1. ポム より:

    >>auカブコムの強みは•抽選
    実際は抽選じゃないから3倍超えるとまず当たらないので抽選と書いてるだけ悪質ですよ。特定の人以外は当たる確率0ですからね・・・・

    • とり子 とり子 より:

      ポムさんコメントありがとうございます!
      確かに、あの倍率通りの実感はありませんね。
      当たったこともあるのですが、何年もやって数えるほどです。

      噂には優遇条件を満たした人は有利なようですが、
      それが一体どのくらい有利なのかも分かりませんよね。
      たとえばもし10倍違ったりすると、通常の人は絶望的です。

      IPOでも同じなのですが、
      確率変動する裏パラメータがあろうとなかろうと・・
      れっきとした抽選です!というスタンスなのでしょう。
      そのあたり、はっきりとした開示が無いのは残念ですよね。

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