ここでご紹介する優待クロスとは、つなぎ売りに一般信用取引を使ったクロス取引によって、完全にノーリスク化したやり方で株主優待をタダ取りする手法のことです。
しかし、優待クロスにはこんな悩みがつきものです。
クロス取引のタイミングが早すぎると、貸株料が増えてコストがかかる。
とり子
とる造
クロス取引のタイミングが遅すぎると、在庫がなくなってそもそもクロス取引ができない。
でも、大丈夫です。一般信用の優待クロスなら「いつクロス取引すれば」「いくらコストがかかり」「いくら利益がもらえて」「利回りはいくら」といった数字が、事前に計算できるメリットがあります。利益の金額や利回りがはっきりすれば
- 自分の納得したタイミングでクロスする
- 在庫がなくなるタイミングを予想する
- 資金効率の良い銘柄だけに絞る
このような判断がやりやすくなり、優待クロスの作業がスムーズに進むのではないでしょうか?
さて、現在2019/9/9の早朝ですが、SMBC日興証券でもカブドットコム証券でもゼンショーHDの在庫がまだあります。ゼンショーHDのクロス取引について、費用と利益そして利回りを調べて、クロス取引するタイミングを考えてみましょう。

調査:コストとリターン
ゼンショー(7550)
想定株価:2,400円
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100株で食事券1,000円分
ヤフオク落札価格:約97% ヤフオクで調査
換金価値:1,000円×97%×92%=約890円
必要資金:約24万円
例えばSBI証券の一般信用で9月9日にクロス取引すると
手数料:388円 金利:24万×2.8%÷365=18円
貸株料:24万×3.9%÷365×21日間=538円
コスト:944円 リターン:約-50円 ※赤字
例えば日興証券の一般信用で9月9日にクロス取引すると
手数料:0円 金利:24万×2.5%÷365=16円
貸株料:24万×1.4%÷365×21日間=193円
コスト:209円 リターン:約680円
優待利回り:0.28%と低め 粗利率:76.58%
例えばカブコム証券の一般信用で9月9日にクロス取引すると
手数料:388円 金利:24万×2.79%÷365=18円
貸株料:24万×1.5%÷365×21日間=207円
コスト:613円 リターン:約280円
優待利回り:0.11%と低め 粗利率:31.3%
他の日に約定した場合は以下のグラフをご覧ください。
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300株で食事券3,000円分
ヤフオク落札価格:約97% ヤフオクで調査
換金価値:3,000円×97%×92%=約2,680円
必要資金:約72万円
例えばSBI証券の一般信用で9月9日にクロス取引すると
手数料:756円 金利:72万×2.8%÷365=55円
貸株料:72万×3.9%÷365×21日間=1,615円
コスト:2,426円 リターン:約250円
優待利回り:0.03%と低め 粗利率:9.38%
例えば日興証券の一般信用で9月9日にクロス取引すると
手数料:0円 金利:72万×2.5%÷365=49円
貸株料:72万×1.4%÷365×21日間=579円
コスト:628円 リターン:約2,050円
優待利回り:0.28%と低め 粗利率:76.54%
例えばカブコム証券の一般信用で9月9日にクロス取引すると
手数料:1,552円 金利:72万×2.79%÷365=55円
貸株料:72万×1.5%÷365×21日間=621円
コスト:2,228円 リターン:約450円
優待利回り:0.06%と低め 粗利率:16.77%
他の日に約定した場合は以下のグラフをご覧ください。
*
500株で食事券6,000円分
ヤフオク落札価格:約97% ヤフオクで調査
換金価値:6,000円×97%×92%=約5,350円
必要資金:約120万円
例えばSBI証券の一般信用で9月9日にクロス取引すると
手数料:756円 金利:120万×2.8%÷365=92円
貸株料:120万×3.9%÷365×21日間=2,692円
コスト:3,540円 リターン:約1,810円
優待利回り:0.15%と低め 粗利率:33.88%
例えば日興証券の一般信用で9月9日にクロス取引すると
手数料:0円 金利:120万×2.5%÷365=82円
貸株料:120万×1.4%÷365×21日間=966円
コスト:1,048円 リターン:約4,310円
優待利回り:0.35%と低め 粗利率:80.42%
例えばカブコム証券の一般信用で9月9日にクロス取引すると
手数料:2,030円 金利:120万×2.79%÷365=91円
貸株料:120万×1.5%÷365×21日間=1,035円
コスト:3,156円 リターン:約2,200円
優待利回り:0.18%と低め 粗利率:41.05%
他の日に約定した場合は以下のグラフをご覧ください。
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1,000株で食事券12,000円分
ヤフオク落札価格:約97% ヤフオクで調査
換金価値:12,000円×97%×92%=約10,710円
必要資金:約240万円
例えばSBI証券の一般信用で9月9日にクロス取引すると
手数料:756円 金利:240万×2.8%÷365=184円
貸株料:240万×3.9%÷365×21日間=5,385円
コスト:6,325円 リターン:約4,380円
優待利回り:0.18%と低め 粗利率:40.93%
例えば日興証券の一般信用で9月9日にクロス取引すると
手数料:0円 金利:240万×2.5%÷365=164円
貸株料:240万×1.4%÷365×21日間=1,933円
コスト:2,097円 リターン:約8,610円
優待利回り:0.35%と低め 粗利率:80.41%
例えばカブコム証券の一般信用で9月9日にクロス取引すると
手数料:2,376円 金利:240万×2.79%÷365=183円
貸株料:240万×1.5%÷365×21日間=2,071円
コスト:4,630円 リターン:約6,080円
優待利回り:0.25%と低め 粗利率:56.76%
他の日に約定した場合は以下のグラフをご覧ください。
結論:100株なら日興に限る。300株以上は貸株料が減るタイミングを狙う。
ゼンショーの株主優待の利回りは悪いです。数字だけなら積極的に狙っていく価値があるとは思えないのですが
- 株主優待で人気の食事券である
- 大手有名チェーンのお店である
という株主優待の世界の傾向が強く現れているのが、ゼンショーホールディングスです。すき家を筆頭にココス、はま寿司など全国津々浦々に店舗があって、株主優待券の使い勝手が飲食店チェーンでトップクラスでしょう。オークションサイトでの落札金額も100%を超えるケースすらあって(※ポイントで落札できるため)大人気です。
このような事情から、利回りがしょぼいわりに注目度が抜群の株主優待です。
とはいえ、貸株料の高い証券会社で1単元100株だけを一般信用の優待クロスをすると、損してしまうタイミングすらあるので注意しましょう。複数単元であれば、リターンが数千円とまとまった金額になりますので、9月優待の資金に余裕がある場合は狙う価値があるかもしれません。
さて、ゼンショーの優待内容をよく見ると、100株・300株よりも、500株・1,000株の方が100株あたりの優待券金額が多くてお得なことがわかります。
とる造
わしは、いつも500株か1,000株をクロスしておるよ!
クロスするタイミングですが、わたしならば
- 日興証券は毎週金曜日の17時が重要なので、9/13夕方の在庫争奪戦を警戒します。あるいはその前に在庫が無くなる可能性も十分あるでしょう。
- 日興証券が無くなると、次は手数料水準だけ異なるカブドットコム証券の在庫が無くなる番です。
- SBI証券では、受渡日で祝日を挟む9/11→9/12、9/18→9/19に貸株料がぐっと減りますので、9/11夜と9/18夜の在庫争奪戦を警戒します。
なお、あくまでも個人的な予想ですので、在庫の保証などはいたしかねます。よろしくお願いいたします。
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