順張りとは、トレンドフォローとも呼ばれる、トレンドに従って売買のタイミングやエントリーポイント、利確や損切りを判断する手法を意味します。
トレンドには、上昇中の上昇トレンド、下落中の下降トレンドがあります。トレンドがある相場をトレンド相場、無い相場をレンジ相場と言います。また、時間軸を変えた短期的なトレンドと長期的なトレンドとが同時に存在します。
トレンドの有無はテクニカル指標で判断します。MAつまり移動平均線、ボリンジャーバンド、MACD、平均足などで判断したり、チャート上に安値・高値を意識した線を引き、ラインブレイクなどをシグナルとするライントレードで判断したりします。
順張りは、長期投資だけでなく、スキャルピングやデイトレード、システムトレードのロジックでも用いられるます。順張りの対義語を逆張りといい、対照的な手法です。
順張りとは
へえ、今こんなアイテムが人気なんだ!わたしもこれ欲しいなぁ!
とり子
とる造
やれやれ・・とり子はミーハーじゃのう。
えへへ。流行に敏感なのよ!
とり子
とる造
そんなとり子は、順張りタイプなのかもしれんのう。
じゅんばり?
とり子
とる造
株が上がって来たときに、とり子はどう思う?
このまま上がると思うわよ!買いたいわね、少なくとも鬼ホールドよ!
とり子
とる造
なるほど、何やら頼もしいな。
とる造
では、株が下がって来たときはどうじゃ?
上がるとは思えないわね・・・下がっている途中かもしれない。買いは見送りたいわ。
とり子
とる造
ほほう、慎重じゃな。やはり、とり子の考え方は順張りじゃの。
上昇中に買い、下落中に買わない行動を順張りって言うんだ?
とり子
とる造
うむ。もっと言えば、下落中には持ち株を売ったり信用取引で空売りしたりじゃな。
なるほどー。私はみんなの意見、流行に乗りたい気持ちが強いわ!
とり子
とる造
株の世界の順張りとは、いわばみんなの売買、流行、値動きに現れたトレンド通りに売り買いする考え方、行動のことじゃ。
順張りするためのテクニカル
とる造
さて、どうすれば順張りできるかのう?
そうね、株の世界の流行を知りたいわね。
とり子
とる造
そうじゃな。株の世界の流行、トレンドの向き、その前にトレンドがあるか無いかを判断する必要がある。
そっか、トレンド自体が無いこともあるわね。
とり子
とる造
それをレンジ相場と呼ぶ。
変化のないような相場?
とり子
とる造
一定の範囲=レンジに値動きが収まってしまっている相場のことじゃよ。
どうやってトレンドを調べるの?
とり子
とる造
トレンドの存在と向きを調べるためにテクニカルを使う!
どんなテクニカルを使うの?
とり子
とる造
まず、何と言っても移動平均線、通称MA(Moving Average)じゃ。
きいたことある!移動平均線の上か下か、みたいな?
とり子
とる造
それに加え、移動平均線の角度も重要じゃ。上向きか?下向きか?
よく使われる移動平均線って?
とり子
とる造
株では5日線、25日線、中長期で意識される200日線などじゃろうか。
ゴールデンクロスってのは、関係ある?
とり子
とる造
いい質問じゃ。短期と長期の移動平均線のクロスから、トレンドの発生を判断する手法じゃ。
→短期の移動平均線(たとえば5日線)が長期の移動平均線(たとえば25日線)を上抜く。ただし、両方の角度が上向き。
デッドクロス(下降トレンドの発生)
→短期の移動平均線(たとえば5日線)が長期の移動平均線(たとえば25日線)を下抜く。ただし、両方の角度が下向き。
へえー、移動平均線に注目してみよう。
とり子
とる造
次に挙げるとすればトレンドラインじゃな。
チャートの上に線を引くやつね!見たことあるわ。
とり子
とる造
トレンドラインの例を説明しよう。
→線より上なら上昇トレンド中
→線を下抜ければ上昇トレンドは終了
・2回以上の高値の切り下げを結んだトレンドライン
→線より下なら下降トレンド中
→線を上抜ければ下降トレンドは終了
・2回以上上回られない値を水平に結んだネックライン
→線を超えればラインブレイクで上昇トレンドの発生
→線を超えない限りレンジ相場
・2回以上下回られない値を水平に結んだサポートライン
→線を割ればラインブレイクで下落トレンドの発生
→線を割らない限りレンジ相場
色々なパターンがあるのね!
とり子
とる造
どのローソク足、どんな時間軸(期間)でラインを引くかは各々の裁量、工夫となるから、色々試してみると良かろう。
他にはどんなテクニカルがあるの?
とり子
とる造
そうじゃな、株よりもfxのイメージがあかもしれないが、平均足も使いやすいと思う。
ローソク足に似ているけど、上昇中と下落中が色分けされるやつね!
とり子
とる造
その他、MACD、パラボリック、ボリンジャーバンドのバンドウォークあたりが続き、扱いが難しいがRSIやストキャスティクスといったオシレーター系のテクニカルを利用する人もいるときく。
色々あるなぁ。でも、まずは移動平均線とラインだね!
とり子
とる造
トレンドを見極めるコツで覚えておきたいことがある。
え?なになに?
とり子
とる造
トレンドは山や谷のような、転換点をピンポイントに当てるものではない。
どういうこと?
とり子
とる造
トレンドはゆっくり始まり、ゆっくり収まるものじゃ。
ある日突然、化けたような値動きもあるよ!
とり子
とる造
それは例外なのじゃよ。トレンドを一過性の値動きで判断すると、相場のアヤ、ノイズやダマシに振り回されることになる。
うう・・騙されたくないわ。
とり子
とる造
トレンド転換とは、上昇から下落、下落から上昇のような急なものではなく、レンジ相場を間に挟む緩やかなもの、くらいに心得ることが大切じゃ。
順張りのメリット・デメリット
とる造
たとえば、日足の移動平均線と株価の上下を条件に順張りするとしよう。
基本の移動平均線ね!
とり子
とる造
今日の株価が移動平均線より上だったら、どうする?
今日だけ上なの?しばらくは上の日が連続していないと、トレンドのような気がしないわ。
とり子
とる造
その通り!偶然ではなく、継続した状態をトレンドと判断すべきじゃな。
じゃあ、そのトレンドがあると判断できたなら、上昇トレンドだから買うのが順張りだね。
とり子
とる造
うむ。ところで、この上昇トレンドがいつまで続くかは誰にも分からない!
買ったタイミングが、上昇の初期かもしれないし、上昇の最後かもしれないわね。
とり子
とる造
そうじゃ。逆に、トレンドが終わる判断はシンプルじゃ。
株価が移動平均線より下になったときだね!
とり子
とる造
うむ。順張りは、エントリーポイントが曖昧で、利確や損切りはシンプルという側面がある。
トレンドの発生を「早く」知ることは難しいかもね。
とり子
とる造
そうなのじゃよ。トレンドの発生を知るのは難しく、トレンドの終了を知るのは可能。結果的に、損の幅は限定的じゃが、勝率は悪くなってしまうかもしれない。
損切り貧乏ってやつか・・順張りって損なの?
とり子
とる造
確かに、損切り貧乏そして高値掴みや安値売りも順張りのデメリットで言われるが、よほどトレンドが終わるタイミングちょうどにエントリさえしなければ、すぐ損になることはない。
なるほど、その後ルールを守れば大きな損をせずに済みそうなのは順張りのメリットよね。
とり子
とる造
そうじゃ。順張りの反対の手法に逆張りがあるが、逆張りのデメリットに「コツコツドカン」という典型的な相場の負け方があってのう。
なにそれ、怖い。
とり子
とる造
一発で大きな損失、ひどい場合は相場から退場するような負け方のことじゃ。少なくともそういう目に遭いにくいというだけでも、順張りにはメリットがあると伝えておく!
守りが一番大切よね!
とり子
とる造
順張りは、後出しにはなるかもしれないが流れに逆らうリスクを取らない性格の投資家、あるいは時間的なリスクを取らないスキャルピングのような超短期トレーダーにも向いている手法と言えよう。
わたしはやっぱり順張りかな。
とり子
まとめ
順張りとは、テクニカルを使ってトレンドの発生や存在を確認し、トレンドの向きに従って売買する手法です。もし、使ったテクニカルがトレンドの終了を示したら、ルール通りに利益確定と損切りすることも大切です。
1.そもそもトレンドが発生している?
→レンジ相場ならばそもそも順張りできない!
2.トレンドは上昇トレンド?下降トレンド?
3.トレンドの終了条件も事前に確認しておく
1.移動平均線
→ラインの上下・ラインの角度・短期長期のクロス
2.ライン
→トレンドライン・ネックライン・サポートライン
まずはこの2つを覚える!
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