PBR(ぴーびーあーる)とは、株価純資産倍率(かぶかじゅんしさんばいりつ)のことで、時価総額を純資産で割った倍率であり、企業の株式市場における価値が、資産価値に対して割安かどうかを判断するための指標です。
PBRとは
PBRって何?
とり子
とる造
時価総額と純資産は分かるかな?
時価総額は分かるけど、純資産って?
とり子
とる造
純資産とは、資産から負債を引いたもの。
資産と負債?
とり子
とる造
資産とは、たとえば現金や預金、ビルや土地、工場や設備、ソフトウェアなど。
お金そのものと、売ればお金になるものか。
とり子
とる造
一方、負債とは、たとえば銀行からの融資、企業が発行した社債などじゃな。
わたしたちでいう住宅や車のローンみたいな、借りているお金ね。
とり子
とる造
純資産=資産-負債。
PBR=時価総額÷純資産。
株式市場からの評価と純資産とが、つり合っている状態を PBR1倍 という。とりあえず覚えておこう。
PBRの具体例
とる造
まず、東証1部全銘柄でPBRを計算すると約1.1倍。
※この記事の株価などの数字は2019年2月時点の情報です。
これが普通の数字なの?
とり子
とる造
PBRは株式市場全体の水準や資産の評価額にも影響を受ける。2006年は約1.9倍、2009年には約0.7倍だったから、約20年の実績をみても1倍という数字は割安の目安にはなるかもしれない。
2018年の方が2006年よりも日経平均も高いのに、PBRは低いんだね。単純に株価と連動するわけでもなさそう。
とり子
とる造
そうなのじゃよ。よく気づいたね。
企業のPBRの具体例を教えてほしいな。
とり子
とる造
時価総額トップのトヨタは約1倍。全銘柄のPBRの1.15倍と近い数字じゃな。
PBRが高い企業って?
とり子
とる造
たとえばPBRが約5倍の企業を探すと、ユニクロのファーストリテイリングや、ディズニーのオリエンタルランドがあるようじゃな。
逆に、PBRが低い企業って?
とり子
とる造
たとえば、みずほフィナンシャルグループや、三井住友フィナンシャルグループはPBRが約0.5倍。実は、金融機関の多くは低PBRなのじゃよ。
へー。PBRは企業の規模や業績、株価と直接は関係が無さそうにみえるね。
とり子
とる造
そうじゃな。次の使い方で詳しくみてみよう。
PBRの使い方
じゃあPBRってどんな風に使えばいいの?
とり子
とる造
企業同士の比較なら、まず同じ業種・セクターの企業のPBRを調べて、気になる企業と比較して割安かどうかを調べる。
似た企業と比べて割安かどうかを調べるのね。
とり子
とる造
また、同じ企業の過去のPBRを調べて、今が割安になっているのかどうかを調べる。
業績も株価も変化するから、今が割安かどうかを調べるのね。
とり子
ところで、PBRを調べていたら、解散価値という言葉を見かけたのだけど、これは何?
とり子
とる造
解散価値とは、会社が諸事情で解散する場合、株主みんなで分ける財産の価値を示すのじゃ。
諸事情・・あまり考えたくはないわね。
とり子
とる造
PBR1倍で時価総額相当額が、PBR2倍なら半分が株主に戻ってくる計算となる。
じゃあPBR1倍以下なら安心ってことにならない?
とり子
とる造
と思うじゃろ?しかし、これは決算書、つまり帳簿上の話なのじゃ。
帳簿?
とり子
とる造
もし解散なんて事態で資産を売却するとしたら、売却額が帳簿の評価額を下回ってしまうことは珍しくない。実際に株主に戻るお金は減る、と考えておいたほうが現実的なんじゃよ。
なるほどー。現実は厳しい。
とり子
とる造
しかし、短期間に株価が急落した企業や、企業の破綻がイメージできる低位株(株価が極端に安い企業の株)について、この解散価値を理由に買いに向かう人もいるようじゃな。
安いってのは魅力的だけど、怖いイメージもあるわね。
とり子
とる造
うむ。そもそも、解散をイメージできる企業をわざわざ選ぶ必要もないからのう。業績が伸びていて、株価が安定した企業を探した方が無難じゃからのう。
なるほどー。PBRは解釈や使い方にひと工夫が必要なんだね。勉強になりました。
とり子
まとめ
PBR=時価総額÷純資産。PBRは、株式市場からみた価値が純資産の何倍評価されているかを示します。1倍という数字が割安の目安になります。
→ 純資産からみて株価を割安と考える目安
→ もし会社が解散しても株主に戻す帳簿上の資産がある
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